「先月」という言葉を知った息子。
9月の時点で「先月」と言えばそれは8月を示すこと。
8月が「先月」という言葉に置き換えられるということ。
これらは、息子にとって衝撃だったらしいです。
「先月」という言葉を普通に使っているこちらとしては、何が衝撃なのか全くわかりませんから、あぁそうだね…のような普通の反応しかできませんでしたが、すごく興奮しながら「先月」という言葉について報告してくれました。
「先月」という言葉のクイズ
息子のクラスでは交代でクイズを考えて出し合っているようです。
早速、息子は「先月」という言葉をクイズにすることにしました。
考えたクイズの問題をノートに書きます。
できた!
見てー!!
と、見せられた問題にはこう書かれていました。
1000月はなんがつでしょうか?
いや…「せんげつ」違いだよ(*´з`)
「せんげつ」の「せん」は「先生の先」と教えると、すぐに書き直して持って来ました。見て見るとこう書かれていました。
千月はなんがつでしょうか?
いや…だから1000じゃないんだよ(*´з`)
もう一度同じ説明をしてようやく正しい漢字でクイズが完成しました。
先月はなんがつでしょうか?
そうそう!これこれ!
しかし、1000だの千だの書いてきたということは、もしや…
「先月っていつのことかわかる?」と聞いてみました。
すると、1000個の月でしょ!だそうです…
先月は8月だよ!と言っていたはずなのですが…
だから1000だの千だの書いていたのですね。
あらためて「先月」は前の月のことであると教えました。
「10月になったら、先月はいつになる?」と聞いてみると、ちゃんと9月と答えられました。とりあえずはわかってもらえたのかな。
「先月」は先なのか前なのか
しかし、今度は私が気になる点が出てきてしまいました。
先月は「先」という字なのに、なぜ「前」のことを指すのか…?
先月は前月のなまり?
気になって調べてしまいました。
すると、意外な結果でした。
漢字文化資料館さんのサイトにわかりやすく載っていましたので、ご紹介します。
「先」という漢字は、もともと、時間的にある基準点より前のことを意味する漢字です。
(中略)中国語としての「先」には、本来、このような意味はないとされています。それにもかかわらず、時間的に後のことを表す場合でも「先」という漢字を使うのは、平たく言えば、日本人の誤用なのです。
「先月」など、前の時間を示す言葉の使い方が本来の「先」の使い方で、この先などの未来を指すことは誤用だそうです。
とは言え…
誤用とはいえ、「先」を将来の意味で使うのは、それはそれで、日本語の中で長く定着してきた漢字の使い方です。今さら改めるわけにもいきません。このように、漢字と日本語の関係は、一筋縄ではいかないのです。
元々は誤用でも、今は普通に使えています。
「先日は〜、この先〜」と、1つの文章に2つ入っていても意味がわかります。
だから、今は誤用とは言えません。
今の「先」という言葉には未来の意味も過去の意味も含まれているんですね。
このあたりが「日本語が難しい」と言われるゆえんでもあるかもしれません。
あたりまえに使っていると特に立ち止まって考えることはありませんが、息子のおかげで、思いがけず面白いことを知りました。
勉強ってすごいなぁ。