近所のお友達がピアノを習うということで聞かれました。
口頭で伝える情報には限度がありましたが、こういうことまで伝えたかったな~という思いを込めて(笑)、自宅で練習に使うピアノの選び方についてまとめました。
ahimwariinさんによる写真ACからの写真
- アコースティックピアノと電子ピアノ
- アコースティックピアノがおすすめな理由
- アップライトピアノについて
- 電子ピアノについて
- ピアノメーカーの選び方
- 意外な盲点!ピアノのイス
- 自宅の練習に使うピアノ選び【まとめ】
アコースティックピアノと電子ピアノ
ピアノは、大きくアコースティックピアノと電子ピアノの2種類にわかれています。
アコースティックピアノは、グランドピアノやアップライトピアノ。
電子ピアノは音量調整など色々な機能がついているピアノです。
では、単純に「アコースティックピアノと電子ピアノのどちらがいいのか?」と考えた場合、その答えはアコースティックピアノです。
アコースティックピアノがおすすめな理由
アコースティックピアノをおすすめする理由を少しだけご紹介します。
ピアノ曲はアコースティックピアノで弾くもの
ピアノのレッスンをしている以上、練習する曲はピアノの曲である場合が多いと思います。
これらのピアノ曲は、主にアコースティックピアノで弾くことを想定しています。
中にはチェンバロの曲とか、オルガンの曲とかありますが、今はその辺りは割愛します…
そのため、曲のレベルや技術のレベルが上がってくると、どうしても電子ピアノでは対応できない部分が出てきます。
具体的にはどのような点かと言うと、
- もっとここの音は弱くしたいのに音が弱くならない
- 思うように音が大きくなっていかない(クレッシェンドがうまくつかない)
- 響き方が物足りないと感じる
などです。
私は、長々レッスンしていてもレベルが上がりませんでしたが、そんな私でさえもこのようなことを多少なりとも思ったことがあります。
レベルが上がらなかった私ですら感じていたことことなので、順調に技術のレベルがアップしていく子は、物足りなさが倍になると想像できます。
レッスンで使うのがアコースティックピアノ
レッスンで使うピアノが、アコースティックピアノであることも1つの理由です。
私の自宅にあったのは電子ピアノでした。
レッスンで使うのはアコースティックピアノです。
自宅の電子ピアノで練習してからレッスンに向かうと、自宅の練習とレッスンで弾く場合の楽器の響きや使い方に差が出てきます。
例えば、自宅で音を強く出す練習をしてレッスンで弾いてみると、必要以上に鍵盤を叩く弾き方になっていてめちゃくちゃうるさい!みたいな状況になります。
普段からアコースティックピアノで練習できれば、そのような差も生まれにくいと思います。
グランドピアノという存在
アコースティックピアノがおすすめな理由を書いてきましたが、アコースティックピアノの中には「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」があります。
グランドピアノとアップライトピアノのどちらが良いか?
そりゃ、グランドピアノに違いありません。
ピアノ選びにおいて、色々な口コミを見ていると思います。
中には、「何が何でもグランドピアノ」「グランドピアノ以外は意味がない」という意見もありますね。そんな意見を見かけたことがあります。
私がグランドピアノを弾いた経験は、正直発表会やたまにレッスンで弾く程度でしたが、それでもグランドピアノの良さがわかるくらい、グランドピアノの音ってすごいんですよ。
ですから、乱暴な意見であるように思えても、ちょっとでもグランドピアノを弾いたことがある人なら、わかるにはわかる意見なのではないかなと思います。
でも、考えてみて欲しいのですが、「弾いてみたいピアノ」や「欲しいピアノ」、そして「実際に購入できるピアノ」というのは、違うものではないでしょうか。
そりゃ、グランドピアノを買えるなら欲しい。
きっと、ピアノを弾く人はみんな思っていることでしょう。
ですが、予算どうする?どこに置く?メンテって一体…というように、様々な問題も乗り越えてピアノをお迎えする必要があります。
もし、今の時点でアップライトピアノにしようと思っている方!
「グランドピアノじゃないと無意味」というような口コミを読んで気持ちが揺らいでしまっている方がいましたら、そんな意見は気にせずアップライトピアノを選んでください!
アップライトピアノを用意できることだって、十分環境に恵まれています。
ですから、「グランドピアノじゃなきゃダメなのだろうか…」なんて悩まないで欲しいです。すぐに楽器店へGOです。
アップライトピアノについて
アップライトピアノの価格
アップライトピアノの購入を考える上で一番気になる項目。
それは価格ではないでしょうか?
ヤマハのアップライトピアノ2種類を参考までに載せてみました。

- 価格: 440000 円
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【新品ピアノ】YAMAHA(ヤマハ)SU7【新品ピアノ】【新品アップライトピアノ】
- 価格: 2640000 円
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上のモデルはヤマハのアップライトピアノでも比較的安価なモデルのb113というタイプです。下のモデルは最上位モデルのsu7というタイプです。
ヤマハ以外にもピアノのメーカーはありますし、販売店によって金額も異なります。
「アップライトピアノ」と言っても色んなタイプがあるので、上記は一例でしかありませんが、いいお値段だと思います。
できるだけ価格を抑えてアップライトピアノを使用したいという場合は、中古のピアノやレンタルという方法もあります。
アップライトピアノ購入時に考慮する点
アップライトピアノを購入するにあたり、考慮すべき点をまとめてみました。
- 値段が高い
- 意外と大きい
- 音量の調整ができない
- 重量がある
- 管理や調律が必要
ヤマハのb113というアップライトピアノのスペックを公式で見てみると、幅149cm、高さ113cm、奥行き53cmです。存在感がある大きさだと思います。
また、音量の調整ができないため、使用する時間帯などの配慮が必要です。
騒音問題に発展してしまうこともあるようなので、設置する環境を考えなければなりません。
ピアノに限らず、楽器の音は嫌いな人は嫌いなんですよね…悲しいけど。
すばらしい演奏であっても、万人に受け入れられるとは限らない…悲しいけど。
そして、小さい音で弾いても思った以上に響くのがアコースティックピアノです。
響くというのはアコースティックピアノの良さですが、それを騒音と言われてしまうと途端に欠点になってしまいます。
悲しいですが、設置する環境は見極めた方がいいです。
アップライトピアノ設置において、価格や音の問題の他にもう1つ考えておきたい点が「重さ」です。
前述のヤマハb113というモデルはの質量は、なんと194kgです。
賃貸住宅では「楽器NG」になっている物件も多いですが、ピアノを置くと床がへこんだり、最悪抜けてしまうことがあるから「楽器NG」と表記している場合があるそうです。もちろん騒音という問題から「楽器NG」になっている場合もありますが、ピアノの重さは要注意だそうです。以前不動産屋さんから聞いて驚きました。
アップライトピアノはそれだけ重いということです。
もちろん1人で移動はできません。
アップライトピアノを考えた場合、予算に意識が行きがちですが、このような点についても考えておいた方が良いと思います。
購入時は専門家に相談しましょう
予算や環境を考えてアップライトピアノを置けそうでしたら、楽器屋さんや専門の方に相談してみてください。
個人教室でしたら、先生のご贔屓の楽器店や調律師さんなどいらっしゃるかもしれませんので、聞いてみてください。
簡単に書いた設置の条件他にも、ピアノメーカーの違いや機種ごとの違い、中古と新品の違いなど、色々と考える項目があります。
また、アップライトピアノは管理や調律などのアフターフォローが必要になります。
アップライトピアノを購入される方は、必ず楽器店やお教室の先生などにご相談してくださいね!
電子ピアノについて
ここまでアコースティックピアノを推してきましたが、実は我が家は電子ピアノです。
レッスン時代に電子ピアノで苦労したので、アコースティックピアノが良いということはわかっています。
でも、大人になってから子どもの為に購入するとなると、自分がただ弾きたいように弾いていた時期と視点が違います。
「ピアノにいくら払えるか」「置く場所はどこにするのか」「音を出したらどうなるか」など、現実的な問題と向き合わなければなりません。
予算や環境を考えると電子ピアノになるという状況の方!絶対、多いはず!!
電子ピアノの特徴
アコースティックピアノはすばらしいですが、電子ピアノには電子ピアノの良さがあります。
良く知られている電子ピアノの特徴は
- 音量の調整ができる
- 安く購入できる
この2点だと思います。
これは、電子ピアノの最大の特徴であり、アコースティックピアノには実現できない項目でもあります。
「アップライトピアノ購入時に考慮する点」でいくつか項目をあげましたが、電子ピアノは、この項目を全てカバーすることができます。
- 値段が高い
→低予算のタイプもある(おおよそ5万~) - 意外と大きい
→コンパクトなタイプもあり、奥行き約30cmのタイプもある - 音量の調整ができない
→音量の調整が可能、ヘッドホンを使用できるタイプもある - 重量がある
→コンパクトタイプならそこまで重くない - 管理や調律が必要
→ほぼ必要ない
「コンパクトタイプ」の電子ピアノ代表格が、カシオのプリヴィアです。
プリヴィアのPX-770というタイプのスペックを見てみると、幅139.1cm、奥行29.9cm、高さ79.8cm、質量31.5kgです。
アップライトピアノ(ヤマハb113)の奥行は53cm、質量が194kgでしたので、違いがわかるかと思います。
もちろん、電子ピアノにも色々な種類がありますので、タイプによって重さは異なりますが、設置したら全く移動できないであろうアップライトピアノに比べると、移動は簡単になります。
幅があるので1人で移動するのは大変ですが、大人が2人いればたいてい移動できるのではないでしょうか。
参考:PX-770 | Privia | 電子楽器 | CASIO
電子ピアノには様々な機種がある
私がアコースティックピアノをおすすめしていた理由の1つに「レベルが上がると電子ピアノでは物足りなくなる」という点がありました。
実は大人になってから、私が当時使っていた電子ピアノは「ピアノの演奏に向かない機種だった」と知りました。
電子ピアノには色々な機種があります。
ピアノ曲を練習するような人向きのタイプもあれば、音を楽しむキーボードのような役割をするタイプもあります。
そして、何より電子ピアノは進化し続けています。
鍵盤も音源もアコースティックピアノに近づいています。
私が当時苦労した強弱についても、今はかなり高いレベルで対応しています。
ということは、今すぐにアップライトピアノを用意できなくても、これから練習を始めるのでしたら、とりあえず電子ピアノという選択も可能です。
もし将来、ピアノ専攻したい、ピアノの道に進みたいとなってから、アコースティックピアノや防音設備などを検討しても良いのではないでしょうか。
ピアノメーカーの選び方
楽器メーカーのお教室の場合
ヤマハやカワイなどピアノメーカーの音楽教室に通っている場合は、そのメーカーの楽器を使用するのがいいかなと思います。
エレクトーンやキーボードでレッスンしている段階では、ピアノのメーカーは関係なさそうに思えますが、グループレッスンから個人レッスンやピアノレッスンに進級した場合のことを想定すると、教室のメーカーのピアノの方がいいのではと思います。
レッスンが進んだらという仮定ですが、弾き方の指導の中で「家にあるピアノは何?」と聞かれることもあります。
この質問は「うちのメーカーのピアノ使ってるわよね!」という圧力の質問ではありませんよ。
先生がピアノの特徴に応じて弾き方を指導するための質問なのです。
でも、ちょっと違うメーカーを言うの気が引けませんか?
気にならないなら…大丈夫です…あはは(*´▽`*)
お好きなメーカーをお選びくださいませ。
個人教室の場合
個人教室の場合は、正直、先生に聞くのがベストだと思います。
先生はピアノのプロなので、ピアノやメーカーの特徴、また〇〇のピアノは重い、弾きづらい、合わない…など、趣向があると思います。
おそらく、あまりお好きでないピアノもあると思いますので、おすすめのピアノと、避けた方が良いメーカーも聞くといいかもしれません。
例えば「A社のピアノは嫌い、弾きにくい」と思っている先生のレッスンで、「A社のピアノを買ったんですよ!」という話は…しない方が良いと思いませんか?
個人教室は1対1ですから…気まずくなると逃げ場がありません(笑)。
そして、個人教室の先生はグランドピアノをお持ちのことも多いと思います。
個人教室では、ピアノで弾く技術を学んでいく場所になりますので、基本的にアコースティックピアノをすすめてくると思います。
ピアノの購入について相談される場合は、アコースティックピアノをすすめられること、電子ピアノをサゲてくる可能性も想定しておいた方がいいかもしれません(笑)。
聞くのが億劫という場合は、先生のピアノと同じメーカーを選ぶという方法もあります。
レッスンのときに先生のピアノメーカーを確認して、同じメーカーの物を選ぶという方法です。
仮に先生がヤマハのピアノを使っていたら、おそらく先生はヤマハのピアノに対して悪く思っていないはずなので(これも想定でしかありませんが)、ヤマハの電子ピアノを選んでもそこまで色々言われないと思われます。
ただ、同じメーカーでもこのピアノは良いけど他のピアノはちょっと…と思っている場合もありますし、そもそも先生の持っているピアノのメーカーがわからないとか、見たら高級ピアノだったとか。
そういう場合は思い切って聞くか、「今は電子ピアノにします!」と言って切り抜けるしかありませんね…アドバイスになっておらず、申し訳ありません。
意外な盲点!ピアノのイス
高さを自在に調整できるイスが必須
アップライトピアノでも電子ピアノでも、どちらにも言えることなのですが、ピアノのイスは、高さが自在に調整できるイスが必要です。
そもそもピアノはイスに座って演奏する楽器です。
イスが自分の高さに合っていないと、ペダルの踏み込みがうまくいかなかったり、演奏中の踏ん張りが利かないということが、少なからずあります。
実は、私は3段階しか調整できないイスで練習していました。
どんなタイプのイスを持っているか先生に聞かれたとき、「3段階しかないイスを使っている」と言うと、速攻で買ってもらいなさいと強めに言われた経験があります。
「イスでしっかり高さを調整しないとうまく弾けないから買ってもらいなさい、私がご両親に話そうか?」とまで先生は言ってくれましたが、結局親に話すことはできず、最後まで3段階のイスで練習しましたとさ。
自在調整イスの種類
発表会で使うグランドピアノのイス
発表会のグランドピアノのイスと言えばこんな形です。
背もたれの方に調整する部分があります。
個人の発表会ではこのイスを使いますが、小さいうちは先生がやってくれることが多いです。
そのうち自分で調整するようになりますが、調整の仕方を教えてもらえると思いますので、その辺りは心配しなくて大丈夫です。
私は不器用でイスの高さ調整が毎回うまくいかなかったので、発表会前は何度か練習させられました(笑)
練習用のイス
アップライトピアノはタイプによりますが、電子ピアノの場合は、イスが付属していることが多いです。
よくある練習用のイスはこのようなタイプです。
座面がフラットなタイプはこちら。
どちらも、丸い部分を回して高さを調整します。
付属しているイスが高さ調整できないタイプの場合もあるので、購入前に確認しましょう!
自宅の練習に使うピアノ選び【まとめ】
- 予算と環境が整うならアコースティックピアノを選ぼう
- グランドピアノじゃなきゃ意味がないという意見は聞かなくてOK
- 電子ピアノはアップライトピアノの欠点をカバーできる
- 個人教室の先生からはアコースティックピアノをすすめられる可能性が高い
- イスは高さが自在に調整できるタイプを選ぼう
ピアノ選びについて、元レッスン生の立場から簡単にまとめてみました。
口コミの1つとして少しは参考になったでしょうか。
簡単に書いてきましたが、特にアコースティックピアノは芸術品のようなものです。
値段や色や大きさも違うし、響きや音の感じなど細かい内容を含めると、選び方が無限になります。
- アコースティックピアノか電子ピアノか?
- 予算はどれくらいか?
このあたりを事前に決めてると、機種を絞ることも簡単になると思います。
素敵なピアノに出会えるよう願っております☆彡
電子ピアノが気になる方は参考にしてみてください。
こちらは、電子ピアノの概要について大まかに書いています。
具体的に私がどのように電子ピアノを選んだか?の記事です。