ヤマハの幼児科・ジュニア科を経て、小学校3年生のときにピアノの個人教室に移籍しました。
移籍してわかったことはこちらです。
- グループレッスンとピアノ教室は目的と内容が違う
- ピアノ教室移籍時に楽譜を持参する理由
- 勝手に身に付いていたヤマハの力
特に1と2は移籍する前に知りたかったことです。
グループレッスンと個人教室の違い
グループレッスンからピアノ教室に移籍しようと思ったとき、私はピアノ教室もヤマハも同じピアノを弾く・習う場所だと思っていました。
レッスン形態がグループから個人に変わるだけで、内容がそこまで変わるとは考えてもみませんでした。
だから私は、その思ってもみない変化に対応できず挫折してしまいました。
ヤマハのグループレッスンと個人教室では全く内容が違います。
ピアノ個人教室は、ピアノを弾く技術を習得する場所です。
これはヤマハのピアノ個人レッスンも同じです。
ピアノ曲を弾くための技術や楽譜の読み方を学びます。
そのため、指を正確で速く動かす練習曲を弾いたり、音楽記号の意味を学習して楽譜の通りに弾けるようにレッスンしていきます。
楽譜を読んで弾いて、先生に聞いてもらってダメ出しを受けて、その部分を練習して弾いて聞いてもらう。
そして先生に合格をもらったら次の曲の楽譜を読んで弾いて…これを繰り返すのが個人レッスンです。
私が個人教室に移籍する前にヤマハのグループレッスンで学んでいたのは、「この曲は何調?」「楽しい曲にするにはどんな伴奏にする?」「雨の降っている感じで弾いてみよう」などの内容でした。
楽譜を読み、譜面通りに弾くということだけでなく、音楽を自分で作っていく、創造していくということの方がメインでした。
また、グループレッスンでは友達の考えた伴奏を聞いたり、みんなで合奏したりします。
ピアノ教室でも教室によってはやっている人もいるかもしれません。でも私が通っていた教室ではありませんでした。
みんなで演奏することに楽しさを感じていた私は、合奏がないことやただひたすらピアノに向かって弾くことが自分に合っていませんでした。それでも辞めたいって言えなくて高校まで続けましたが(笑)。
移籍時に楽譜を持参する理由
個人教室で始めてレッスンする日は、「使っている楽譜を持って来てください」と言われていました。
私は直前まで習っていたヤマハジュニア科の教材を持参しました。しかし先生にスルーされてしまいました。
当時の私は、自分がそれまで一生懸命やってきたことを全否定されたように感じてかなりショックを受けましたが、個人レッスンを長く続けたことで、ようやく先生が教材を持ってきてと言った理由を理解することができました。
楽譜を持参する理由。
それは、ピアノの技術レベルを見るためです。
これから受講する生徒の楽譜を確認して実際に弾いてもらうことで、どの程度の技術を習得しているか把握し、先生がこれからどのように指導していくのか、練習する曲や楽譜はどのレベルにするのかなどの参考にします。
技術レベルというのは、どれくらい指が動くのか、オクターブは弾けるのか、強弱はどれくらいまでつけられるのか、速い曲は弾けるのか、音楽記号の理解度は…等、楽譜をどれくらい読んで理解していて、それを弾くことができるのか、記号はどれくらい読めて実践できるのかなどです。
そのため、先生が持参して欲しかった楽譜はピアノの練習曲集などである必要があって、「バイエルの〇〇ページまでやっています」「エリーゼのためにをやりました」などの情報が必要でした。
ヤマハの教材はヤマハ独自のものです。
ヤマハにグレードという習得度を示す資格がありますが、ヤマハ以外の先生がピアノの技術を把握するための情報は、ヤマハの教材にはありませんでした。
そのために、私の技術力は先生に伝わらず教材をスルーされてしまったわけです。
教材を持参する理由がわかったことで、先生がヤマハの教材をスルーした理由もわかるようになり、ようやく私の気持ちも浄化されたのでした(笑)。
ヤマハで勝手に身に付いていたこと
音を聞く力
個人教室に通っているときに、思いがけずヤマハの力を知った経験があります。
同級生たちと一緒に音当てクイズをしたときです。ヤマハでは幼児科からやる定番のクイズです。
先生が単音や和音を弾いてその音を当てるのですが、私は全問正解しました。一方、私より長く教室に通っている友人たちは軒並み不正解でした。
当時、ピアノの音がわかるということは当たり前のことでした。
普段聞こえている音もドレミで聞こえていたので、ピアノの音がわからないということが理解できませんでしたが、耳が衰えた今ならわかります。
音を理解できる耳は、ヤマハで勝手に鍛えられていたものでした。
音楽の力
音楽を聴いて情景を思い浮かべたり、どんな雰囲気の曲なのか考えたりすることが得意だと気づいたのも個人教室に通っているときでした。
レッスンで先生が見本を弾いてくれたとき、単なる強弱ではなく「やさしい」「やわらかい」「楽しい」など、楽譜に書かれていること以外の部分を、音や曲調から感じ取ることができました。
また、この力は学校の音楽の授業で力を発揮しました。
音楽鑑賞で「音楽を聞いて感想を書きましょう」という授業。一般的には何を書けばいいねん!という課題ですが、私はこれがすごく得意でした。
音や曲調が変わる度に音楽のイメージがわくので、プリントにびっしり感想を書いてよく褒められました(笑)。
ヤマハは音楽の授業に強くなることを実感しました。
それまで、ピアノを習っていることは勉強には生かせないプライベートな時間だけのものという認識でしたが、学校の授業に応用できるとわかってから、音楽の授業が楽しくなりました。
5教科系は苦手だったので、音楽だけは成績上位をキープできたので助かりました。
グループレッスンから個人レッスンへの移籍について
ヤマハ幼児科から個人教室への移籍は、特に問題なく移籍できると思います。
私が通っていた教室も小学校1年生から受講している友人が多かったです。1年生からバイエルをスタートすれば、幼児科の経験が土台となって強味になってくれると思います。
注意して欲しいと思うのは、私のように小学校3年生以降でグループレッスンから個人のピアノ教室に移籍しようとする場合です。
ヤマハのグループレッスンと個人レッスンでは目的や内容が違います。この違いを当時小学生の私は理解できずに苦しみました。
グループレッスンと個人レッスンどちらが良いというのはありませんし、それぞれにメリットがあります。
しかし、レッスンを受ける人にその特性が合わなければデメリットになる可能性があります。
ヤマハのジュニアコースから別のピアノ教室に移籍したいと思う方は、まずはヤマハで個人レッスンを受講するのをおすすめします。
ヤマハの先生であれば、ジュニアコースのレベルを把握していますし、各人に合わせたテキストや教材を用意してくれると思います。
それに、ヤマハで長く受講している人は、ヤマハの先生が合っています。これは私が中1でヤマハに戻ったときに肌で感じました。
もしヤマハ以外の個人教室に移籍する場合も、ヤマハの個人レッスンを受講してピアノの習得レベルを別の先生にも提示できるようになってからの方が移籍する時にスムーズではないかなと思います。
個人的な意見に過ぎませんが、参考になると幸いです。